
2020年4月に発売されて、総販売台数2万台を達成しながら、いまだ人気を誇る光城精工の仮想アース「Crystal E」。同モデルの上位となるモデルが「Crystal E-G」だ。
Crystal E-G は、 2023年に限定モデル(世界800台)として発売された「Crystal E Jtune」の基本構成を踏襲すると共に、サンドブラスト加工の高精度化を図ったファインブラスト加工を採用。またプラグ型仮想アース「Crystal Epシリーズ」に搭載される、導体表面積拡大を目的とした特殊アルミ電解コンデンサを6機搭載などハイブリッド化がなされている。「Crystal E-G」は、これらGND強化により接続機器の音質を大幅にアップさせ、KOJO TECHNOLOGYの「仮想アース」において最も大きい表面積を保有し、史上最高のパフォーマンスを誇るモデルとなっている。


表面積拡大用 特殊アルミ電解コンデンサ(写真右)。両面ベタ基板に実装された6個の特殊アルミ電解コンデンサ(写真左)。
ファインブラスト+エッチング
Crystal EG の内部異金属プレート構成は、これまでの「Crystal E」や限定モデルの「Crystal E Jtune」と同様の 構成となっている。また「Crystal E Jtune」では、この構成において各プレートにサンドブラスト加工を施すことで、その表面積の拡大を図っていた。これらの上位モデルとなる「Crystal E-G」は、サンドブラスト加工を更に高精度化させたファインブラスト加工を採用。表面凹凸形状を均一にコントロールし、拡大される表面積のバラツキを低減、高精度高品質の加工処理内容となっている。
Crystal E-Gの進化はそれにとどまらない。プラグ型仮想アースの「Crystal Epシリーズ」で導入された特殊アルミ電解コンデンサを6機搭載。同コンデンサの内部導体には帯状に加工された高純度アルミニウム箔が使用されており、見かけ上の表面積は小さいものの、導体表面が特殊エッチング処理されることで、海綿質構造に似た空洞が無数に形成されています。結果的にこの無数に存在する空洞は導体表面積の拡大をもたらし、1機あたり11,000㎠(110cm×100cm)という広大な有効面積が確保されている。また、このコンデンサ6機は導体表面積の更なる拡大を目的に、両面ベタパターンレイアウトのプリント基板に実装される。Crystal E-Gは、異金属プレートに対する新たなファインブラスト加工の採用と、エッチング処理技術による特殊アルミ電解コンデンサの融合によって、これまでに類を見ない導体表面積の拡大に成功している。
ファインブラスト加工による積層プレート(8層)の表面積は約1,600㎠(Crystal Eの約60%アップ)、更に特殊アルミ電解コンデンサ6機搭載による表面積は、約66,000㎠(Crystal Ep シリーズの6倍)に達し、トータル68,000㎠を保有。実に和室3.6畳以上に相当する有効面積を確保することとなり、KOJO TECHNOLOGYの仮想アース製品史上最も広大な表面積を持つモデルとなっている。


Crystal E-Gのレイヤー構造(写真左)。ファインブラスト加工の有無(写真右)。

エッチング処理による導体表面の空洞化(イメージ)
アース端子
Crystal E-Gに配備されるアース端子は、「Crystal E」のステンレス製M4バインドネジから、金メッキM4の3点鍋ネジに変更されており、より安定した導通性能を引き出している(限定モデル:Crystal E Jtune と同仕様)。また、アース端子は2端子設けられているが、ひとつ(FROM EQUIPMENT)はオーディオ機器との接続に、もう一方(ADD E)は増設用の端子として使うことができる。


Crystal E-Gアース端子(写真左)、Crystal E-Gの増設(写真右)。Crystal E-G×1台に対し、オーディオ機器2台の接続は多重アースを発生させるため、オーディオ機器×1台:Crystal E-G×1台を推奨している。
中空穴付きネジの採用
Crystal E-GのTOPカバー取り付けにおいても、限定モデル「Crystal E Jtune」の仕様を継承し 中空穴付きネジが採用されている。前モデル「Crystal E」のそれはNiメッキ仕様のスチール製M3皿ネジであった。密閉されていた「Crystal E」内部に対し、ステンレス製中空穴付きのM3皿ネジを採用することで、 内部エアー抜きの効果が得られ、 より開放的な音質となっている。
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中空穴付きネジ(M3皿ネジ)。
専用アースケーブル(付属)
Crystal E-Gには1.2mの専用アースケーブルが付属する。ひとつは「RCAプラグ-Y端子」ケーブル。もう一つはY端子-Y端子」ケーブル。線材には高周波特性に優れた同軸ケーブル(「Crystal E」と同一)を採用。いずれの端子にも高音質化を配慮した金メッキ品が採用されている。「RCAプラグ-Y端子」ケーブルは、アンプ等のアナログ入出力端子のいずれかに空きがある場合に有効。「Y端子-Y端子」ケーブルは、 上述のようなアナログ入出力端子に空きがな く、筐体締め付けねじ、GND端子がある場合などに活用することが可能。※いずれの接続方法がより効果的かは、聴感上にてご判断いただくことをお勧めします。
音質効果
ファインブラスト加工と特殊アルミ電解コンデンサ搭載による表面積の拡大は、前モデル「Crystal E」と比較し実に68倍に上ります。Crystal E-Gはその恩恵をダイレクトに受け、「Crystal E」や限定「Crystal E Jtune」以上の聴感上の S/N 向上に貢献。 使用ネジの変更による解放感と相まって更なる音質改善を確認することができた。
楽器同士の分離はもとより、その質感までもが生々しく、(聴感上の)周波数特性にも突出あるいは欠落したアンバランス感は皆無だ。S/N改善による効果は全てがプラス方向に作用し、これまで気にすることすらできなかった細やかな音や情報が聴きとれ、音場の奥行きを感じ取れると共に、輪郭がハッキリすることで力感を持って前面に出てくる。 歌い手はセンターにしっかり定位し、音場は前後、左右、上下に拡大され、立体的な空間表現は音像もまた見て取れるような感覚へと導いてくれる。まさに「2ch超越ゾーン突入」である。
デザイン
Crystalシリーズのデザインは、その名からイメージされるように、クリアさ、繊細さ、トランスペアレントをコンセプトにデザインされている。Crystal E-Gは、前モデル「Crystal E」のデザインを継承しつつ、上位モデルに相応しい僅かに赤みをおびたシャンパンゴールド系のアルマイト処理が施された。Bottomシャーシカラーはシルバーから一転、シャンパンゴールドと共に質感の高さを漂わせるアースカラーが採用されている。シンプルデザインのCrystal E-Gは、KOJO TECHNOLOGYらしいクリエイティブな電源アクセサリとして、「CREATIVE POWER ACCESSORIE」の称号を得ている。
・RCAプラグ-Y端子(M4) 1.2m × 1 本(金メッキ)
・Y端子(M6)-Y端子(M4) 1.2m × 1 本(金メッキ)
推奨アースケーブル(別売)
KOJO TECHNOLOGYでは、付属アースケーブルのほかに、様々なコネクタ形状に対応したアースケーブル:Clone1(クローン1)および Clone2(クローン2)シリーズが製品化されている。Clone1およびClone2シリーズは、それぞれ十数種類にもおよぶ豊富なラインアップを取り揃えており、接続機材の端子形状に合わせて選択することが可能。詳細は下記URLを参照ください。
<Clone1 シリーズ> http://kojo-seiko.co.jp/products/ks s3000yy.html
<Clone2 シリーズ> http://kojo-seiko.co.jp/products/ks z2200yy.html


Clone1シリーズ(写真左)。Clone2シリーズ(写真右)。