画期的な挑戦の第2弾! 2023年6月28日発売
コンサートとレコーディング。
同じ土俵で比較できないそれぞれの良さを、どこまで近づけて成立させられるのか?
昨年の『Headphone Concert 2021』に続き、これはある意味「実験的な試み」であり、
そこから生まれた、稀な作品である。
ファイルウェブニュース「藤田恵美の“ヘッドホンコンサート”」の記事はこちら
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「ヘッドフォン・コンサート」は録音芸術の革命だ!
ライブの躍動が、スタジオ録音の高音質で聴けた!
スタジオ録音とライブ録音には、それぞれメリットとデメリットがある。スタジオでは、音響的に理想的な条件の下で高音質で録音できる。何テイクも重ね、部分的なパッチワークも加え、完成度をとことん高められる。その一方で、ライブのような、観客との有言無言のコミュニケートからもたらされる、音楽的な感興の高まりとは無縁だ。ライブ収録は、そうしたヴィヴットな緊張感から生み出される音楽性は獲得できるが、音の品格が低い。会場に広く拡声するためのPAの音が被ってしまい、鈍重な音になる。
そうであるならば、この二つのメリットを合体できないか。つまり「ライブの躍動」と「スタジオ録音の高品質」が、同時に得られれば、理想の音楽性と高音質が実現できるわけだ。それこそが「ヘッドフォン・コンサート」だ。すでに2021年に第一回の藤田恵美のヘッドフォン・コンサートで録音、制作されたCDやハイレゾを聴き、たいへん完成度が高いと評価したので、その年の私のハイレゾベストテン(e-onkyo musicサイトで発表)で、ご紹介させていただいた。
今回の第2弾、2022年10月26,27日にて開催された「ヘッドフォン・コンサート」は、私は観客として参加させていただいた。マイク、ヘッドアンプ、録音機などの機材は、まさにスタジオ録音そのもの。通常のライブで使用する客席用のPAスピーカー、奏者用の返しスピーカーは、いっさい無い。なので、客席ではほとんど無音だ。何か遠くに声が、かすかに聞こえるだけ。でもヘッドフォンをつければ、実にクリヤーに演奏と歌唱が聴けた。
まずこれに驚いた。このようなポップのライブではPAで拡声されるので、どうしても音がヘンに分厚く、メタリックな尖りが加わり、質感はそうとう低くなる。だからライブでは音質は無視して、ライブならではの興趣を楽しむことにしているのだが、「ヘッドフォン・コンサート」は、まったく違ったのである。本SACDの高音質を語る前に、ライブ自体がもの凄く高音質なのであった!それはスタジオと同じ機材、PA無し……だから当然といえば当然なのだけど、まさに「ライブ音質の革命」だと思った。それがそのままSACDになったのだから、高音質は当然だ。
HDインプレッションの阿部氏がスタジオで制作している、いつもの高品位な音調が、まったくそのまま聴ける。ヴォーカルの質感が緻密でナチュラル、粒子が細かい。ピアノ、ヴァイオリン、ギター、アコーディオン……などの楽器も明瞭で、上質だ。「12 Perfect (Encore)」に収録されている拍手の音が実に生々しい。これは客席では感じなかったことで、拍手もスタジオクオリティ(?)なのである。「ヘッドフォン・コンサート」はまさに録音芸術の革命である。
(オーディオ・ビジュアル評論家・麻倉怜士/発売元資料より)
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<収録曲>
1 All My Loving 作詞/作曲 John Winston Lennon, James Paul McCartney
2 冷たい雨 作詞/作曲 荒井由実
3 I Love You 作詞/作曲 尾崎豊
4 シーサー 作詞 藤田恵美 作曲 藤田隆二
5 My Grandfather's Clock 作詞/作曲 Henry Clay Work
6 ダンスはうまく踊れない 作詞/作曲 井上陽水
7 Moon River 作詞 John H. Mercer 作曲 Henry Nicola Mancini
8 Sofa 作詞 藤田恵美 作曲 Turesson Ulf Sven Birger
9 Red is the Rose 作詞/作曲 Traditional
10 街の灯り 作詞 阿久悠 作曲 浜圭介
11 Imagine 作詞/作曲 John Lennon & Yoko Ono
12 Perfect(Encore) 作詞/作曲 Mark Edward, Cascian Nevin
藤田 恵美(Vocal)
宇戸 トシヒデ(Pf/Accordion/Whistle/Cho) 西海 孝(Ag/Cho) 武川 雅寛(Vln Tp) 河合 徹三(Bass) 佐藤 唯史(Percussion)